[美術の窓]
■第74回白日会展(3月26日〜4月4日)

 
惟る  [大判画像] 1室
  1998年 第74回白日会展 

記事の抜粋
「惟る」。膝から上の全身像である。画家は側面よりやや背中側からこの女性を眺めている。女性は左に頭を回していて、見返り美人ふうなポーズになっている。それをすこし上方から眺めている。すこし上方から眺めているアングルから表れてくる人物像と言うのはあまり見ないせいか、とくに背後は壁であるために、一種不思議な感じがする。丹念にじっくりと仕事がされている。そういったところからくる穏やかなマチエールと、じっくりとしたアンティームな雰囲気がこの作品の魅力だろう。以前より形がしっかりとしてきた。女性のもつ存在感が以前よりじっくりと出てきた。微妙な諧調の変化、奥行きといったものが進境してきたことが喜ばしい。