[美術の窓]
■第41回日展(10月31日〜12月7日)

 
樹  P120 [大判画像] 
<洋画> 4室
2009年 第41回 日展 委嘱

記事の抜粋 
「樹」
樹木に左手を当てて立つ女性。白いワンピースを着た女性がサンダルをはいて森の中にいる。瑞々しい緑のオゾンいっぱいの空気に包まれた女性は、室内とはまた違った魅力を見せる。この緑に対して、白いワンピースと肌の色をどのように画面に構築するか。しかも、画家の筆は血の通った肉体を表現することをやめない。女性の持つ身体から発する独特の力と、森の持つ力、極端にいえば、植物と動物との不思議な調和がこの作品の中につくられる。それを連結するのは、地面の茶色い土のしっとりとした感触のように感じられる。そこに両足を置いたその部分が、この作品のポイントで、上方は独特の画家のロマンティシズムがつくりだした女性の表情の陰影と言ってよいかもしれない。