[美術の窓]
第36回日展(11月2日〜11月24日)

 明日へ P100 [大判画像] 
<洋画> 23室
2004年 第36回日展

記事の抜粋 
「明日へ」。若い女性が地面とも床ともつかぬ場所に座りこみ、遠くに視線を投げている。木原作品の魅力は、ナチュラルな感性に沿って描き込まれている点である。ディテールを偏愛するのではなく、女性の存在感のリアリティを引き出すべく、ディテールや対象の質感を徹底して描き起こしている。膝の上に置かれたさりげない手の仕草、ぼうっと遠くを眺める眼差し・・・・・・。声をかけたら、こちらに振り向きそうな、生きた気配が宿っている。白いブラウスのレース模様なども、女性を荘巌するようなノーブルなイメージがそそられる。背景の温か味のある柔らかな色調が、女性の存在を、甘美でロマンティクなイメージに昇華させている。