第39回日展 編集部はこう見た![編集部座談会] <日本画・洋画部門>

                                           

第39回日展 編集部はこう見た![編集部座談会] <日本画・洋画部門>
長く親しまれた上野の東京都美術館開催に別れを告げ、六本木の国立新美術館開催の第一歩を印した日展。図らずも日展日本画の精神的支柱であった高山辰雄も失い、様々な意味で試練を抱いての開催となった。
 今年も編集部はこの日本最大の公募団体展を総出で鑑賞。期待と愛情を込め、しかしそれだけにシビアな意見もあえて取り入れての誌上合評会を試みた。
依然続く若手写実派の台頭―洋画部門
デスク 次に洋画に移ろう。今年は2,044点の応募、昨年比70点増だったという。そのうち入選は521点。ほぼ4倍の倍率だ。内新入選66点。無鑑査を含め陳列点数は663点というからすごい展示規模だ。
                
D 委託作家の永田英右の「チェロと老人」の重厚感は会場でも際立って見えた。白日会の重戦車という印象だ。無鑑査の木原和敏「ストールの裸婦」は初めて見る裸婦像。これまでの清楚な女性像から一歩踏み出したのかなという印象。俗にいう「絵が動く」、そんな気配がしたね。